空-Q-所為

在の実践

直線とのテンソルと既約性

記事の趣旨

既約スキーム  X に対して、 スキーム  X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} が既約であることを示す。

議論

定理 既約スキーム  X に対し、 X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} は既約である。

証明  X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z}閉集合  Y, Z であって  Y \cup Z = X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} なるものをとる。ここで、射影  X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} \to X \pi とおいたとき  V_Y = \{x \in X|\pi^{-1}(x) \subset Y\},  V_Z = \{x \in X|\pi^{-1}(x) \subset Z\} と定める。

 x \in X について  \pi^{-1}(x)位相空間として  \mathrm{Spec}(\kappa(x)) \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} \cong \mathrm{Spec}(\kappa(x))[t] と一致するため、これは既約である。よって  X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} = Y \cup Z であったため、 X = V_Y \cup V_Z が成立する。

次に、 V_Y X閉集合であることを示す。これは、 X について局所的な問題であるため、 X = \mathrm{Spec}(A) であると仮定してよい。

ここで、 A[x]イデアル  I について  Y = V(I) と表示されるとすると、 \mathfrak{p} \in V_Y とは、 \mathrm{Spec}(\kappa(\mathfrak{p})[t]/I\kappa(\mathfrak{p})[t]) \to \mathrm{Spec}(\kappa(\mathfrak{p})[t])全射となっていることと同値であり、これは  I \subset \mathfrak{p}[t] と同値であることに注意すれば、 V_Y閉集合となることがわかる。

従って、 X の既約性より、 X \times_{\mathrm{Spec}(\mathbb{Z})} \mathbb{A}^1_\mathbb{Z} が既約であることが示された。Q.E.D.