空-Q-所為

在の実践

トリミングされた光景

ピアニストがいた. 雑多な街があった. 夜があった. さらにいえば, 移ろう哀しみと, 旅人が歩むその軌跡と, 揺蕩うクジラの群 - 紙飛行機, 笛の音 …… そういうものがある程度不調和に …… あるいは配置されるようにもみえた. それはある意味では, わたしの反射でもあった.

しかし, あるとき …… いや, ある行為において, 世界の断片 - 痕跡が残された. その世界は, どうしようもないほどに恣意的に切り取られ …… あるいは時が止まり, 事実となった. 契約された事実誤認に …… 愁許さずのフォトメーカー. けれども, それも生かもしれない.

丁寧に, 大雑把に, 大胆に, 恣意的に切り取られた絵画は, 今日も意味を混濁させて歩いていく. そこには正しさも臆病もなく, つまりそのものとなったり - ならなかったり - とにかく, 何処かへ進んでいく. そのさきに太陽も月もない. 字義的な世界に, わたしにあてられて, 頭がおかしくなりそうだ.