空-Q-所為

在の実践

複数の世界

ずっと平行線を感じる. わたしがわたしでなかった時空のあなたが, わたしのことを見透かすように, そこにいる. わたしはあなたのことなどひとつもわからないのに.

それは一方的な通報. 無音のサイレンがわたしの首を絞めて, わたしは苦しくて, でも苦しいばかりだからそれでいい. 視界がぼやけて - 足がもつれて, 転んで, 地に這いつくばるような傷がついて - どこかにあなたの幻影を探して …… 腹がすいて, 眠くて, 薬を飲んで - 怖くて, 寂しくて, 全部がそんな感じで, もう生きていけないんだ.

脳機能が萎縮するのを感じる. このままどこにもいけなくなって, 暗い箱のなかでヤアヤアいうだけの骸になったら面白いなあ. 誰か弔ってくれるか ? 骨くらい拾ってくれともおもうが, もう放っといていい. そんなのは.

最終列車がゆくのを見守って, それが最終ならわたしがいまいるだけのこの駅はもう駅ではないのだろう. では, 駅に入ったわたしは一体どこから出ていけばいいのだろうか. ひとりだけ取り残されたみたいだ. ここには優しい友達はいない. ひとのぬくもりはどこにもない. 寒い. アァ身体が冷えて怠いんだ, 焚き火をしたいが - そんな手立てはない. どうやら今日でもってその日暮らしを辿る自転車操業は失敗したみたいだ. 償いのため凍えて死ねというのか ? いや - 結局それもわたしの解釈でしかないんだろうな. どこにも事実なんてない …… わたしが存在したという事実なんて, コーディングの果てに拾われた幻覚症状なのかもしれない. それは, わたしがそうなのか.

寒い. ここは暗い. 悲しい. だれもいない. どこにも誰もいない. ただ孤独な時空に - 惑星にわたしはいて …… 宇宙の孤児だったら. 結局そこに孤児がたくさんいるなら, そこはあまりにも救われないだろう. 救いがあるなら …… わたしもそうありたい …… わたしには, 勇気がないのかもしれない. この寒い世界を出ていく勇気が.

もし来訪者がいるなら, わたしが百年の時空を越えて待っていたと伝えてほしい. …… 僕は昨日に墓にこもったようだから.